ダートを突っ切るライダー
MOTOCROSS

キアラ・フォンタネージ選手

概要

イタリア生まれのキアラ・フォンタネージ選手は、2009シーズンのウィメンズモトクロス世界選手権(WMX)でデビューしたモトクロスライダーです。2011シーズンにランキング2位となった後、これまでウィメンズの世界選手権で5度もチャンピオンシップを獲得しています。

兄がモトクロスレースに参加していたというキアラ・フォンタネージ選手がモトクロスを始めるのは自然な流れだったのかもしれません。ロードバイクにもチャレンジしたことがあるそうですが、モトクロスに惹かれて戻ってきたそうです。根底にある価値観は、あくまでもレースを「楽しむ」こと。

ストイックに体を鍛えている女性ライダーとしても知られていますが、その理由はクラッシュに強くなって「長く走るため」なんだそうです。キアラ・フォンタネージ選手にはクラッシュの経験がありますが、幸いなことに大怪我にはつながりませんでした。それは運もあるかもしれませんが、しっかりと身体を鍛えていることも決して無関係ではないでしょう。

イタリアでもモトクロスに参加する女性は少なかったそうですが、キアラ・フォンタネージ選手が世界チャンピオンを何度も獲得するようになってからはモトクロスの人気が広まり始めています。彼女は、ウィメンズ世界選手権を牽引する女性ライダーの一人でもあるのです。

出産後にもレースに参戦する女性ライダー

タイトルを何度も獲得してきたキアラ・フォンタネージ選手ですが、妊娠・出産のためにスターティングブロックに足を載せていない期間もありました。次なる目標は、母親として世界大会の優勝を狙うことだと語っています。

2018年の終わりごろには肉体的・精神的な疲労が見られたキアラ・フォンタネージ選手でしたが、妊娠・出産の準備によってレーサーにはできないようなことに時間を費やすことになり、それは結果として彼女の心身をプラスの方向へ変貌させました。幼い頃から母親になることがずっと夢だったと語るキアラ・フォンタネージ選手にとって娘の誕生は、モトクロスも含めたライフスタイルに対してポジティブに向き合う動機にもつながっているようです。

モトクロス界に女性ライダーが進出してきたのはここ最近の出来事であり、世代交代をするほどの年数も経っていません。つまり、出産後にもモトクロスで活躍する女性ライダーというのはこれまでにいなかったということ。そういう意味でも、今後の活躍に期待が高まります。