概要
伊集院忍さんは、 2010年(当時18歳)に関東選手権に出場して日本女性初の2クラス制覇を達成し、全日本モトクロス選手権のレディスクラスでもトップライダーとして活躍したレーサーであり、モトクロスではとても有名な選手の一人です。現在はヤマハ・ライディング・アカデミー(YRA)の講師として活躍しており、レーサー時代の経験を生かしてオフロードの講習も受け持っています。
モトクロス時代
幼い頃からバイクに乗るのが当たり前で、ピアノやそろばんを習い始めるようにバイクに親しんでいたという伊集院忍さん。ご家庭では、両親もバイクに親しんでいたそうで、自転車に乗れるようになるとヤマハ「PW50」をプレゼントされたそうです。レースに参戦するようになるとヤマハの「YZ85LW」を愛用。小学生でモトクロスの地方選手権に出場し、高校生になる前から全日本のレディスクラスに参戦しました。ちょうどその時、ヤマハは若手育成チームを立ち上げ、当時は定員一名だった女性ライダーとして抜擢されました。
レーサーから指導者へ
そのようにレースへ参戦していた伊集院忍選手に、ヤマハから「インストラクターをやってみないか」という提案があったようです。日本でレースを収入源に暮らしていけるのはほんの一握り。そのことを考えていたかどうかは分かりませんが、伊集院忍選手はインストラクターの打診を受け入れました。現在、伊集院忍さんは現在ヤマハ・ライディング・アカデミー(YRA)のインストラクターとして、バイクに乗る人たちをサポートしています。
ちなみに、大型バイクの免許を取得したのは18歳の時だったとのこと。今でこそ教鞭を取るほどオンロードバイクに慣れていますが、インタビューによれば、最初は公道を走ることが怖かったそうです。
オフロードバイクとオンロードバイクの操作性は異なります。例えばオフロードバイクでは車体を傾けてタイヤを滑らせることは日常茶飯事ですが、公道でタイヤをそのように滑らせることはまずありません。そのため、タイヤを傾けても滑らないということに戸惑いがあったそうです。
幼少期からオフロードのフィールドで育ったために、かえって公道で走ることが怖いと感じるのは、思わぬ盲点ですね。
今ではオンロードだけではなく、モトクロス用バイクのレッスンも始めています。オフロードに関心のある人も増えてきており、特にオフロードでは著名な伊集院忍さんの講義は人気で、定員15人のところに100人もの応募が殺到したこともあるそうです。